31年

大したことはなにもない人生を振り返るためのメモ

幼稚園の話

3歳離れた姉が園服を着て動物の絵が描かれたバスで幼稚園に通うのを見て、私はどうしても幼稚園に行きたくて行きたくて、本来4歳児から入園のはずがどうごねたのか3歳から通わせてもらった。同級生が年中さんにあがるのを見ながら、私はもう一回年少さん。なんとなく元同級生も本来の同級生とも距離を感じた。私は一人遊びが得意な子供になった。
幼稚園は好きだけどよくさぼった。もう今日は帰りたいと思う日は仮病を使って両親を呼び出した。
両親はもちろん仮病だとわかっていただろう、父か母かあいている方が迎えに来てくれて、必ず幼稚園の近くのドーナツ屋さん(昼過ぎには売り切れてしまう)じゃりじゃりした砂糖がこれでもかとかかったげんこつドーナツを買ってくれて、ビデオ屋さんに寄ってミッキーのビデオを借りて帰った。
私のさぼり癖は未就学児の時からなのかと自分でも呆れる。ここから小学校、中学校、高校、大学、留学先、今に至るまで、気分の乗らない時はすぐに休む。
私はずっと他人と距離を感じている、どこまで行っても年中さんにあがりそびれた子供の気持ちで、人が動き話すのを眺めている。
見回せば大人っぽすぎる人と、子供っぽすぎる人、私っぽい人は見当たらない。