31年

大したことはなにもない人生を振り返るためのメモ

3歳離れた姉の話

姉と私はすべてが反対だから、姉の事を語るのは同時に客観視して反転した私を語る事になる、だから少し難しい。
姉が出来る事は私が出来ない事、姉の良い所は私の悪い所。
姉は子供の頃からピアノを弾いていた、バイオリンも弾いていてた、声楽もやっていた。子供の頃から姉はあまり家にいなかった。毎日レッスンレッスンレッスン。当然のごとく音楽科のある高校に進学して、そのまま音大に入った。
姉と音楽は常に共にあるけれど、音楽は姉を愛していないように見える。
まずひどい音痴。主旋律という概念がよくわからないらしい。ほんとか?
バイオリンは姉の歌声と似ていて甘ったるくか細いかと思いきや急に大きい音が出たり、寂しくヒステリックなサウンド。ピアノはまあそこそこ。
それでも姉は不思議なほどめげない。音楽を愛してその力を信じて疑わない。
努力努力努力でずっと生きている。今も。
で、私はその逆。
正反対の私たちはオセロの表と裏のようだとずっと思っていたけれど、実際はメビウスの輪のように循環しているのかもしれない。
姉の話は私の話に、私の話は姉の話に。ぐるぐるぐると私たちは離れない。