31年

大したことはなにもない人生を振り返るためのメモ

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

幼稚園の話

3歳離れた姉が園服を着て動物の絵が描かれたバスで幼稚園に通うのを見て、私はどうしても幼稚園に行きたくて行きたくて、本来4歳児から入園のはずがどうごねたのか3歳から通わせてもらった。同級生が年中さんにあがるのを見ながら、私はもう一回年少さん。…

とても小さかった頃の話

乳幼児の記憶は普通ないというが、私が見た夢なのか妄想なのかなんなのか私には極古い時期からの記憶がある。 一番古い記憶、私は家のリビングで母に抱かれている。隣には私に会いに来た母の友人だろうか、家族ではない女の人。薄い黄色っぽいノースリーブの…

故郷の話

私の生まれ育った所は、おもちゃみたいな小さな観覧車が見下ろす小さな街。レンガの元工場や大きな蔵が立ち並び、観光地にするほどの派手さはないが、どことなくハイカラで文化的でとても魅力的な街だ。 この土地の人間は大抵この土地を熱狂的に愛している。…

家族の話

家族仲が良いよね。とよく言われる。 昔からよく家族総出で出掛けていたし、私達兄妹が全員実家を出た今でも姉の旦那や子供を含めて国内一回、暇な大人だけで行く海外一回はここ数年欠かさない。 私達はごく親しい人とするように笑いながら思い出話をする。…

3歳離れた姉の話

姉と私はすべてが反対だから、姉の事を語るのは同時に客観視して反転した私を語る事になる、だから少し難しい。 姉が出来る事は私が出来ない事、姉の良い所は私の悪い所。 姉は子供の頃からピアノを弾いていた、バイオリンも弾いていてた、声楽もやっていた…

6歳離れた兄の話

兄はぼんやりした人だ。少し浮世離れしている。友人でも恋人でも誰かと寄り添う姿は想像できないし、本人もそういうクリアな輪郭を求めていないように見える。兄が好きなものはいくつかあるけれど、その愛し方は今時ではない。例えばゲームが好きで新しいハ…

母の話

母の話。母の話。父ほど話すことがないように感じる。仲が悪いのか?そんなことはない、毎年一緒に旅行をする。去年は香港、今年は台湾。旅行のプランニングは全部私がする。存在感が薄いのか?聞かれればそんな事はない。強烈だ。見た目が?そんなことはな…

父の話

父の話を簡単にするのは難しい。 難しい理由はいくつかあって、一つは職業が少し特殊なこと、一つはあまりのエネルギー量にその全てを測りきれないこと、一つはどんなに謎に思う事があってももう聞けないこと。父は7年前に他界した。癌だった。うちはみんな…